Pinterestは、2022年4月時点で月間ユーザーが4,300万人を超えるビジュアル検索ツールです。
個人の興味に特化したコンセプトと画像の組合せによって、高い親和性を持った広告ができることから、Pinterest広告の利用が増えています。この記事では、Pinterest広告の利点や始めるにあたっての前提知識・出稿手順などについて解説します。
目次
Pinterest(ピンタレスト)の広告出稿におけるメリット
Pinterestは、多様な魅力を持った広告メディアとしての特徴を持っています。
多数のユーザー
Pinterestは、世界中で4億人以上の月間アクティブユーザーを持ち、日本では870万人以上のアクティブユーザーがいます。男女の比率を見てみると、男性は43%、女性が57%です。このことから、女性ユーザーの使用率がわずかに多いことがわかります。
購買力の高いユーザーが多い
Pinterestを最も利用する年齢層は、1980年から1995年生まれのミレニアル世代が30%、次いで1996年から2010年生まれのZ世代が23%です。20代後半から40代という、購買力が高く生活力がある世代、Z世代は子どものころからインターネットに親しんでおり、購買情報をSNSから探すことができる世代であり、そのような層がメインユーザーであるため購買力のポテンシャルが高いと言えるでしょう。
ターゲティングによる効果的な広告配信が可能
Pinterest広告は、ターゲティングを活用して商品情報を効果的に配信することができます。性別・年齢・地域などの属性や興味関心・検索ワードなど他のSNSと同様のターゲティングを使用することができますが、独自の顧客リストに基づくターゲティングや、既存顧客の興味や行動に基づくアクトアライクオーディエンスなど、自社オリジナルの顧客情報を使用したターゲティングも利用することができます。
フルファネルに対応した広告を出すことが可能
「フルファネル」マーケティングとは、消費者の購買行動を認知、検討、購入というプロセスに分類してモデル化したものを「ファネル」と呼び、各フェーズに共通のマーケティング戦略を適用することを言います。Pinterest広告では、製品の認知広告配信から購入に至るまでのマーケティング戦略を実行することができます。また、外部リンクを含む画像を使用することができるため、Webサイトに直接誘導することも可能です。
Pinterest(ピンタレスト)広告が特に向いている商材
Pinterest(ピンタレスト)の最大の特徴は、特定のトピックに強い関心を持つユーザーが、画像の探索・収集・発信を自分で行えることです。興味のある画像を収集することで、未来のアイデアを向上させます。この潜在意識を重視するPinterestの特徴は、下記の商品に特に向いていると言えるでしょう。
- 化粧品
- アパレル
- インテリア
- 不動産
- その他見た目が特徴的なもの
画像をピン(収集)することは、探索した情報の中でかなり興味が強いことを示します。ピンをしたユーザーに特化したアプローチをすることで、意識を明確化し、エンゲージメント向上へとつながる可能性が高いです。
Pinterest(ピンタレスト)広告の事前準備
ビジネスアカウント(アドアカウント)の作成(無料)
Pinterestの広告を配信するには「ビジネスアカウント」を作成する必要があります。個人アカウントを作成した場合でも「設定」→「アカウント管理」から「ビジネスアカウント」に変更することができます。広告配信には「アドアカウント」を使用しますが、これはビジネスアカウントからのみ作成できます。
ウェブサイト認証
Pinterest広告では、遷移ページとして外部リンクを設定することができます。しかし広告に設定したい外部リンクは、Pinterest上で事前に認証しておく必要があります。
認証方法は、「設定」から「ドメイン・アカウントの認証」をクリックします。次に「ウェブサイトの認証」をクリックすると、下記3つの方法から認証方法を選ぶことができます。
- HTMLタグを追加
- HTMLファイルをアップロード
- TXTレコードを追加
認証方法の詳細に関しては、公式ヘルプをご参照ください。
サイトのドメイン所有権を認証する|公式ヘルプセンター
Pinterestタグ設置
Pinterestタグとは、トラッキング用のコードです。WebサイトにPinterestタグを追加することで、Pinterest広告からのユーザーのWebサイトへの流入や、Webサイト上でのアクション(例:購入など)をPinterest上でトラッキングすることができます。これにより、Pinterestアドの効果を正確に測定することができます。
Pinterestタグには「ベースコード」と「イベントコード」の2種類が存在します。「ベースコード」は全てのページ(ランディングページ・サンクスページ等)に、「イベントコード」はコンバージョン対象のページ(サンクスページ)に追加するコードです。
Pinterest(ピンタレスト)広告の出稿手順
キャンペーンの設計
Pinterest広告のスタートは、キャンペーンの設定から始まります。キャンペーンには、タイトルと目標を設定する必要があります。目標を設定することで、落札価格や広告のフォーマットの選択方法が明らかになり、より広告配信を最適化することに繋がります。キャンペーンの目標は下記が挙げられます。
- ブランド認知度(認知度を高める)
・課金形態:CPM
・最適化対象:インプレッション数
→ブランド・商品・その他のサービスの認知度を高める - 動画視聴回数(認知度を高める)
・課金形態:CPV
・最適化対象:動画視聴
→ブランドの認知度を高め、ウェブサイトでのアクションを促すために動画をプロモートする - 比較検討(比較検討を促す)
・課金形態:CPC
・最適化対象:コンバージョン数
→Pinterestで広告をクリックするユーザーを増やす - コンバージョン数(コンバージョン数を増やす)
・課金形態:CPC
・最適化対象:コンバージョン数
→ウェブサイトのでのアクションを促す - カタログ販売(コンバージョン数を増やす)
・課金形態:CPC
・最適化対象:クリック数またはコンバージョン数(入札タイプによる)
→ショッピングアドで在庫商品をプロモートする
アドグループの設定
キャンペーンでは複数の広告グループを設定することができます。各広告グループ毎で、入札価格や予算・ターゲットとなるオーディエンスをそれぞれ設定しテストしていくことで、より効果的な広告グループを発見することに繋がり、キャンペーンを最短で成功に結び付けることに繋がるでしょう。
●ターゲティングの設定
Pinterest広告のターゲティングの設定は、大きく下記5つのタイプより設定可能です。
- オーディエンス
- インタレスト
- キーワード
- デモグラフィック
- プレースメント
1.「オーディエンス」について
オーディエンスは全部で4種類あります。
・サイト訪問者
→サイト訪問者へのリターゲティング
・顧客リスト
→既存顧客へのターゲティング
・エンゲージメント
→既存コンテンツに対して、何らかのエンゲージメントアクションを実行したユーザーをターゲティング
・アクトライク顧客
→上記3つのオーディエンスの類似ユーザーに対してターゲティング
2.「インタレスト」について
Pinterest広告では、あるカテゴリに対して興味・関心があるユーザーをターゲティングすることが可能です。下記設定可能な興味・関心カテゴリの例です。
・アート
・ウエディング
・スポーツ
・デザイン
・メンズファッション
・レディースファッション
・健康
・動物
・室内装飾
・建築
・旅行
・美容
・車
など
3.「キーワード」について
Pinterest広告では、ユーザーの検索行動に基づくキーワードでターゲティングをすることが可能です。キーワードは、完全一致・フレーズ一致・部分一致・完全一致の除外キーワード・フレーズ一致の除外キーワードを設定することができます。効果を実感するには、1広告グループあたり25件以上のキーワードを使用することが推奨されています。
4.「デモグラフィック」について
デモグラフィックターゲティングとは年齢・性別・デバイス・エリアなどのユーザー属性を基にしたターゲティング手法のことです。
設定できる項目は下記になります。
・性別
→「男」、「女」、「どちらでもない」から選択可能
・年齢
→18〜24、25〜34、35〜44、45〜49、50〜54、55〜64、65〜から選択可能
・エリア
→国の選択、郵便番号(配信したいエリア)の選択可能
・言語
→24の言語項目より選択可能
・デバイス
→Android Mobile、Android Tablet、iPad、iPhone、Web(デスクトップPCまたはノートブックPCのブラウザを使用してPinterestを閲覧しているユーザー)、Mobile Web(モバイルデバイスで閲覧しているが、Pinterestアプリは使用していないユーザー)から選択可能
5.「プレースメント」について
プレースメントターゲティングでは、広告を表示させたい場所を指定可能です。以下のプレースメントから選択できます。
・ホーム
→ユーザーが閲覧するホームフィードや関連ピンの中に広告を表示
・検索
→検索結果や関連するピンに広告を表示
・すべて
→検索と閲覧の両方のプレースメントに広告を表示
●入札方法
Pinterest広告の入札方法には「自動(推奨)」と「カスタム」の2つがあります。「自動(推奨)」では、Pinterestが入札単価を自動的に最適化します。一方、「カスタム」は手動で入札の制限(例えば最大CPC)を設定します。
管理画面では「自動」を推奨されています。特段こだわりがない場合は「自動」を選択すると良いでしょう。
広告(ピン)の設定
キャンペーン・アドグループの設計を行ったら、次は広告(ピン)の設定を行います。ここでは画像や動画、タイトル、説明文、リンク先などを設定することができます。
●クリエイティブの要件はこちら
画像ピンや動画ピンでは要件が異なるため、画像や動画を作成する前に必ずクリエイティブの要件を確認しましょう!
画像ピン | ・ファイル形式:PNG、JPEG ・サイズ:デスクトップ 20MB / アプリ内32MB 以内 ・アスペクト比(推奨):2:3、1,000 x 1,500ピクセル →アスペクト比が 2:3 より大きいピンの場合、ユーザーのフィードに一部しか表示されない可能性あり。 |
動画ピン | ・ファイル形式:.mp4、.mov、.m4v ・エンコード:H.264、H.265 ・サイズ:最大2GB ・動画の長さ:最短4秒〜最長15分(推奨:6〜15秒) ・アスペクト比(推奨):正方形(1:1)または縦長(2:3または9:16) →1:2(幅:高さ)以下、1.91:1(幅:高さ)以上である必要あり。 |
タイトル | ・最大で全角 100 文字まで →デバイスによっては、前半 30 文字のみがユーザーのフィードに表示される。タイトルが存在しない場合、ホームフィードのタイトルの位置には何も表示されない。 |
説明文 | ・最大で全角 500 文字まで →ホームフィードや検索フィードでピンを閲覧している際に説明文は表示されない。また、広告を拡大表示しているときに説明文は表示されない。 |
クリエイティブ要件の詳細に関しては、公式ヘルプをご参照ください。
クリエイティブ要件を確認する|公式ヘルプセンター
まとめ
Pinterestは、ユーザーが興味のある画像を探検し、今後のライフスタイルのアイデアを得ることを目的とするツールです。画像に特化したコンセプトとの親和性が高いため、ビジュアル訴求の強い業界であるアパレル・化粧品・インテリア等の業界において幅広い商機があります。
日本国内のユーザーは870万人に昇り、購買力が高いユーザーも多いため、効果的な広告施策を行いやすいです。Pinterest広告を、新しい顧客を獲得し売上を伸ばす施策の1つとしてぜひ検討してみてはいかがでしょうか。
最後までお読みいただきましてありがとうございました!
<他のWEB広告媒体もチェックしたい方はこちら!>
・SmartNews(スマートニュース)広告
・LINE(ライン)広告