目次
はじめに
近年、BtoB分野でも多くの企業がリード・案件の獲得のためセミナー(ウェビナー)を活用するようになっています。しかし、セミナーを成功させるためには、企画立案、集客施策、当日の運営、参加者へのアプローチなど、多くのタスクの実行が必要です。
そこで、今回はセミナーを通じてリード獲得数・受注数を増やすための戦略を、事前準備〜集客〜開催直前・直後のフォローアップに分けて詳しく解説いたします。
BtoB企業がセミナーを開催するメリット
まずはBtoBマーケティングにおけるセミナー(ウェビナー)を開催するメリットに関して解説します。具体的には下記のような効果を得られるでしょう。
商材の認知度を上げつつ、効率的にリードを獲得(リードシェネレーション)
BtoB企業がセミナーを実施するメリットの1つ目は、自社製品・サービスの認知度を上げつつ、リードの獲得を効率的に行える(リードシェネレーション)点です。セミナーテーマに応じて関心がある見込み客を広く集めることができます。
セミナーテーマの広さや・魅力度・話題のタイムリーさなどにもよりますが、その他BtoBマーケティング施策でよくある、ホワイトペーパーのDL訴求や、製品・サービスへのお問い合わせを目的としたマーケティング施策よりもCPAを抑えつつ多くのリードを獲得することが期待できます。これは自社製品・サービスへの興味関心が高い顕在層だけでなく、ノウハウを知りたいという人や漠然と悩みがある程度などの人たちも集客対象となるため、ターゲットとできるユーザーが広いことが理由です。
顧客の熱量を高める(リードナーチャリング)
BtoB企業がセミナーを実施するメリットの2つ目は、自社の製品・サービスへの理解や満足度を上げ、顧客の熱量を高める(リードナーチャリング)ことができる点です。インハウスリードが興味のあるテーマやトレンドを意識したセミナーを実施することで、顧客の熱量を高め商談・受注へとステップアップすることが期待できます。また、そうしたリードナーチャリングを行なっていく中で質の高い情報を提供し続けられると、信頼感の醸成ができ受注率アップにも繋がってくるでしょう。
コンテンツとして再利用が可能(今後のマーケティング施策への活用)
BtoB企業がセミナーを実施するメリットの3つ目は、セミナーをコンテンツ化し今後のマーケティング施策(リードシェネレーション、リードナーチャリングなど)に活かせることです。具体的にはセミナーで用いた資料をそのまま、または少しアレンジしホワイトペーパー化したり、セミナーを録画することでそのまま再放送でセミナーに利用したり、動画コンテンツとしてホワイトペーパー化することも可能でしょう。
BtoBセミナーの効果を最大化するための「事前準備」
BtoBセミナー(ウェビナー)の効果を最大化するには事前準備が非常に重要です。数ある事前準備の中でも特に重要な要素を3点ピックアップしてご紹介します。
ターゲットの解像度を上げる
ターゲットが明確でなければ、セミナーの内容もふわっとしてしまい誰にも刺さらない平凡な内容となってしまいます。狙いたいターゲット層によって適切なセミナーの内容は異なるため、最初に明確に設定することが重要です。以下検討する場合に役立つセグメント分けです。
- 業界
- 役職
- 潜在層 or 顕在層
- 戦略 or 具体的施策 など
セミナーのメインテーマを決める
自社が伝えたいことを伝えるだけのセミナーでは、参加者の温度感は上がらないでしょう。潜在層には、トレンドやよくあるお悩みを解決できるような、有益な情報提供ができる場として設定できるといいでしょう。一般論だけではなく、自社にしか提供できない情報・データを絡められるとさらに参加者の満足度は向上します。また自社製品・サービスに対して顕在的なニーズを持っている人には、製品・サービスの紹介、自社で使用した場合はどうなるかのシーンが想像できるセミナーの内容がベストでしょう。
KPI設定を行う
ターゲット像・セミナーの方向性が明確になったら、次はKPIを設定しましょう。KPIとしては、セミナー開催までで追うべき指標とセミナー開催後に追うべき指標の2軸で考えると良いでしょう。
●セミナー開催まで
- 申込者数
- 参加率
- 視聴継続率
- 参加者の満足度 など
●セミナー開催後
- アポ(商談数)
- 受注数 など
BtoBセミナーにおける効果的な「集客方法」
集客数はセミナー(ウェビナー)にとって最重要要素と言っても過言ではありません。下記手法を用いてセミナー参加者数を最大化しましょう。セミナー集客数を最大化するには2~3週間の集客期間を設けるのがベストです。
自社サイト/オウンドメディアでの宣伝
自社のWebサイトやオウンドメディアでのセミナーの告知は非常に有効です。自社のWebサイトやオウンドメディアを閲覧する人は、既に製品やサービス・自社の発信している内容に対して、興味関心を持っているユーザーが多いと考えられるため、質・量の両方の観点で効果的な集客が期待できます。
インハウスリストへのメールマーケティング
インハウスリストへのメールマーケティングは非常に有効です。セミナー参加に関しては、製品・サービスの資料ダウンロードやお問い合わせなどのアクションに比べてハードルがかなり低いため、展示会やイベント・ホワイトパーパー経由で繋がりを持ったいわゆる潜在層の方からもアクションを期待できます。また、セミナーを通して潜在層の温度感を徐々に上げ、商談化・案件化に繋げること(リードナーチャリング)も期待できます。
プレスリリースの出稿
セミナーのテーマ・内容にもよりますが、プレスリリースの出稿も1つの手です。社会的意義があったり、トレンドを押さえた内容のセミナーを開催する場合は積極的に活用を検討しましょう。
Facebook広告の出稿
Facebook広告の出稿も集客数最大化に効果的です。自社の顧客の類似オーディエンスへの配信や興味関心ターゲティングなどを活用することでCPAを安く抑えながら質の高いターゲットの獲得が期待できます。リードCPAは5,000円〜10,000円ほどに落ち着くことが多いです。
当日の参加率を最大化する「リマインドメール」
いくら集客数の最大化を実現できたとしても、セミナー当日の参加率が悪ければ、セミナー全体としての効果は低減してしまいます。当日の参加率を上げるためには下記の施策が有効でしょう。
前日リマインドメールを送付
セミナーは気軽に申し込める反面、そもそも申し込んだことを忘れてしまったり、申し込みから時間が経つにつれて興味関心が薄れ参加をキャンセルされてしまうケースも少なくありません。
そのため前日にリマインドメールを送り、セミナーを思い出してもらうことは重要でしょう。またメールの文面には当日のアジェンダや、セミナーで何を得られるかなどのメリットをわかりやすく説明することで、興味関心の再醸成に繋がります。
当日リマインドメールを送付
前日に加え当日のリマインドメールも効果的です。当日リマインドメールは、参加URLを改めて共有し、セミナー冒頭からスムーズに視聴してもらうことを目的としています。送付タイミングは、セミナー開始1時間前や30分前が好ましいでしょう。
顧客の温度感を測るための「アンケート」
セミナー後のフォローアップアクションの参考として、セミナー実施中・セミナー後にアンケートを取るのも非常に効果的です。設問例は下記の通りです。
- セミナーの満足度
- 顧客が抱えている課題
- 自社製品/サービスへの関心度
→詳しい話を聞きたい / トライアルしたい / 資料が欲しい / 特に興味なし などの質問で温度感を測ることが可能です。
ただし、アンケートに回答する行為は顧客にとっては負担となるため、回答をしてもらうための工夫が必要です。具体的には、セミナー内容に関連するお役立ち資料(ホワイトペーパー)や登壇資料/アーカイブ動画などをインセンティブとして配布することなどが効果的でしょう。実例として、インセンティブを付与をしたときには回答率が2倍近くになったケースもあります。
セミナー開催後のフォローアップ(セミナー運営)
セミナー開催後にはメールなどを用いて、参加者・欠席者にフォローアップをしましょう。
具体的には下記のような内容の参加・申し込みお礼メールの送信が効果的です。現在は購買意欲の低い顧客でも、将来的に商談・受注に繋げられる可能性が高まります。
メールでは、次にとっていただきたい行動を促しましょう。具体的には、下記の内容を含めます。
- セミナー参加(申し込み)へのお礼
- 自社商品/サービスのページや、今後開催予定のセミナー情報提供
- セミナーの内容と関連するお役立ち資料(ホワイトペーパー)の提供
- 登壇資料の提供
セミナー開催後のフォローアップ(営業)
セミナー開催後には営業からのフォローアップも行いましょう。アンケートで収集した情報をもとにアプローチをします。特に自社製品/サービスへの関心度に関する設問への回答に、「詳しい話を聞きたい」・「トライアルしたい」・「資料が欲しい」と答えた顧客には優先的にアプローチします。
セミナー参加者へのフォローアップの効果を高めるには、時間が最も重要です。特に顧客の温度感が高いセミナー終了後1時間以内にアクションを行いましょう。
まとめ
今回はBtoB企業のためのセミナー(ウェビナー)のノウハウについてご紹介しました。セミナーを成功に導くためにはやはり事前準備は必須です。最終目標から逆算し、各種KPI・セミナー内容を決めていきましょう。